講座集 / LECTURESコンサル技術04

Ph.2 プロジェクトスタート時のヒアリング

プロジェクトスタート時のヒアリング

ASIS / TOBE / GAP の3つを揃える

ヒアリングは「話を聞く作業」ではなく、ASIS(現状)/ TOBE(あるべき姿)/ GAP(差分=課題)の3つを揃える作業。2つの要望パターン(A: TOBE出し/B: 課題出し)どちらでも3つを揃え切る技術と、課題一覧表(Excel)への落とし込みを扱う。

プロジェクトスタート時のヒアリング

─ ARTICLE COVER

コンサル技術Ph.2 プロジェクトスタート時のヒアリング

§I ─ POSITION

この講座の立ち位置

Ph.2「プロジェクトスタート時のヒアリング」。3要素のうち顧客が語るのは1つだけで、残り2つはこちらが引き出す責任を負う。次講座「見積もりのやり方」の松竹梅3案の根拠は、ここで揃ったASIS/TOBE/GAPに直結する。

§II ─ TAKEAWAYS

習得できるスキル

  1. 01

    ASIS / TOBE / GAP の3要素フレームで「聞けている/聞けていない」を切り分けられる

  2. 02

    TOBE出し顧客にはASISを、課題出し顧客にはTOBEを、1問目で必ず返せる

  3. 03

    GAPを「ASISの欠点リスト」ではなく「TOBE − ASIS」として言語化できる

  4. 04

    課題一覧表(Excel)を1回で完成させず、反復で埋めていける

§III ─ EXCERPT

本編から抜粋

01

主問い — ASIS / TOBE / GAP、3つ揃ってる?

ヒアリングのゴールは「話を聞くこと」ではなく、ASIS(現状)/ TOBE(あるべき姿)/ GAP(差分=課題)の3つを揃えること。1つでも欠けたまま見積もり・要件定義に進むと、後工程で必ず戻る。3つ揃ったかを毎回チェックする習慣そのものが、本講座の中核。

02

顧客は3つのうち1つしか語らない

顧客はパターンAかパターンBのどちらかから語り始める。3つを最初から揃えて持ってくる顧客はほぼ存在しない。残り2つはヒアリング側の責任で引き出す。

パターン顧客の入口1問目で返す質問
A: TOBE出し「Webで○○したい」「AIで○○したい」「で、今はどうやってるんですか?」(ASIS取得)
B: 課題出し「○○が困ってる」「○○を解決したい」「で、どうなってほしいんですか?」(TOBE取得)

03

GAPの定義 — ASISの欠点リストではない

GAP = 課題は「ASISの不満を並べたもの」ではない。TOBEに行くために越えなきゃいけないもの、つまり TOBE − ASIS の差分として定義する。この定義をブレさせないと、TOBEに繋がらない要望が混じらない。

  • ✗ ASISの愚痴をそのまま並べる → TOBEと無関係な要件が紛れ込む
  • ✓ TOBEを置いた上で、差分として課題を抽出 → 見積もり明細に直結する

04

GAPを言語化する解像度

「なんとなく困ってる」「業務効率化したい」のままで止めない。何が、どれくらい、いつ困っているのか まで言語化できて初めてGAPはGAPになる。粒度が荒いと、見積もりも要件も荒くなる。

  • 何が困っているか — どの作業/どの担当/どの帳票
  • どれくらい困っているか — 件数・分数・頻度(数値で)
  • いつ困っているか — 月次/例外時/繁忙期など発生条件

05

課題一覧表 — 1回で完成させず、回す

ASIS / TOBE / GAP を整理する課題一覧表(Excelテンプレ)は、初回ヒアリングで全部埋めようとしない。埋まらない欄は「?」のまま残し、次の擦り合わせで埋める。1回で完成させようとする人ほど、勝手な推測で埋めて事故る。

課題一覧表(3シート構成):

  Sheet 1: ASIS一覧
    - 作業名 / 担当 / 頻度 / 工数 / 痛みポイント
  Sheet 2: TOBE一覧
    - 理想状態 / 出典(誰が言ったか)/ 確信度
  Sheet 3: GAP一覧
    - TOBE No. / ASIS No. / 越えるべき差分 / 概算規模

06

「大変ですね」で終わらせない反射

現場ヒアリングの最頻出失敗が「課題を聞いた直後に共感だけして次の話題に移ってしまう」こと。「大変です」を聞いた瞬間に、反射で次の2問を返せるかどうかで、ヒアリングの密度が決まる。

  • ①「1回あたり何分かかりますか?月に何回くらいですか?」(負担量を数値化)
  • ②「理想的にはどうなっていたら助かりますか?」(TOBEの種を聞き出す)
  • 「大変」のまま記録すると後で読み返したときに何の情報も残らない。必ず数値とTOBEのペアで残す

07

見積もりへの引き継ぎ条件

3つが揃わないまま見積もりに進むと、明細の根拠が消える。次講座「見積もりのやり方」で扱う松竹梅3案も、GAPが揃っていなければ並べられない。見積もりに渡す前に、3つが揃っているかを必ず確認する。

08

ヒアリング担当は「翻訳者」である

ヒアリング担当は顧客の声を録音する人ではない。顧客の言葉(断片的・パターン偏在)を、ASIS / TOBE / GAP の3つに整理して返す翻訳者だ。3つに揃えて返せた瞬間、顧客側でも認識が揃う。そこが本当のスタート地点。

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§∞ ─ DOWNLOAD

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─ EXERCISE

標準8ファイル構成(心得/スライド/チートシート/演習問題+解答/ヒアリング失敗パターン集/90分テスト+解答)。アジカ食品 PRD-005「受発注Web化」を題材に、課題一覧表(Excelテンプレ)で3要素を整理する流れを実践。失敗パターン8種を症状・根本原因・予防策・回復策で記述。

解説スライド

本編全コマ

チートシート

現場で使う早見表

演習問題

解答・採点付き

応用編/テスト

実技+ルーブリック

INCLUDED PDFS ─ 8

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